概要
マインクラフトと現実の建築での銅の使い道についてご紹介します。
始めに
Ver.1.17からマインクラフトには銅が追加されました。 個人的には前から銅が追加されて欲しいと思っていたので、かなり期待していたアップデートでした。 しかし、ネットなどの反応を見る限り、期待するどころか銅を何に使えば良いか分からない人も多いようです。
かといって、使い方を調べるためネットを検索してみても、なんだか攻略Wikiをコピペして水増ししたような記事ばかりヒットしてうんざりしている人も多いでしょう。 うんざりしている人にさらに同じ情報を紹介しても嫌がらせにしかならないでしょうから、こちらでは銅に関するレシピ一覧を提示する気はありません。 それが知りたいのであれば英語版Wikiをおすすめします。
かわりにこの記事ではゲームプレイの中で銅を何に使うのがおすすめかをご紹介します。 また、参考になるように銅が現実世界で建築の中でどのように使われてるかも説明しましょう。
もちろんマインクラフトの中でどの素材をどう使うかはそれぞれのプレイヤーの自由なので、ここの記事は私の個人的な意見に過ぎません。
それでもそれなりに参考できるような有用な情報を提示できていると思います。
(2024/9/30追記)Ver.1.21より銅からより多くのブロックがクラフトできるようになりました。
マイクラでの銅の使い道
銅からは望遠鏡や避雷針がクラフトできます。 しかし、両方とも本来の目的で大量に使うことはまずありません。 避雷針は燭台にしたりパイプに模して建築に使ったりします。 しかし、大量というほど使うことはまれでしょう。 望遠鏡は遠くが見えて便利ですが、何個も作るような物ではありません。
そのため、「銅は使い道がない」とか言う意見を、ネットで検索するとよく見かけます。 しかし、そんな事はありません。 銅にも使い道はちゃんとあります。 しかもかなり大量に使います。
結論から言うと、今のところ銅ブロックは屋根材に使うのが一番良いと思います。
例えば、マインクラフトVer.1.17の公式トレーラーは銅ブロックで屋根を作っているところから始まります。
公式ツイッターでも銅の屋根の建築が投稿されています。
Dreaming of a beautiful green-topped home, but feel as though you’ve long outgrown a dirt roof? Well, with copper, oxidation and a heap of patience, your home will fade beautifully to green!
— Minecraft (@Minecraft) October 3, 2020
↣ https://t.co/CPC2HxQrgE ↢ pic.twitter.com/3zjBCfnVTM
よって、公式でも銅は屋根材に使うことが想定されていると思います。
どうして屋根で使うのかというと、現実でも銅は建築素材として屋根によく使われるため、それに合わせてマインクラフトの銅も屋根に使いやすくなっているからです。
例えば、他のマインクラフトの金属である鉄や金はブロック化はできても階段ブロックやハーフブロックは作れません。 一方、銅はクラフトすれば「切り込み入りの銅」というブロックが製作できて、これはハーフブロックや階段ブロックなどの派生ブロックが存在します。 鉄ブロックや金ブロックと同じく、単にインベントリの節約のため銅ブロックが作られたのなら、こんなハーフブロックや階段ブロックは作る必要はなかったはずです。 階段ブロックはそのまま階段に使うこともよくありますが、一番大量に使うのは屋根の建築です。
さらに、銅ブロックは金属なのになぜか石切台にはいります。 石切台の最大の特徴は、階段ブロックが作業台より多く作れることです。 ここからも、やはり銅は階段ブロックを作りやすく屋根に向いていることが分かります。
また、サビた銅の青緑の色はいろいろな建築の屋根で見慣れているため、マインクラフトの中でも違和感なくとけこみます。
銅と建築
「銅の屋根を見慣れている」と言われても、気付いていない人もいるかもしれません。 そこで、いくつか例を挙げてみましょう。
例えば、名古屋城の屋根は銅板瓦でできています。
見ての通りマイクラのサビた銅と似た色をしています。
明治神宮も銅板葺(どうばんぶき)です。
明治神宮は鎮座100年の事業として屋根の葺き替えを行っていたため、2021年現在ではまだ屋根はあまりサビてはいなくて銅の色のままです。 銅板奉納も行われていたので、葺き替えの事を知っている人もいるかもしれません。
2017年のGoogleストリートビューを見ると、以下のように途中まで屋根が葺き替えられていて、緑青と銅色の屋根が両方あります。 (画面をドラッグすると方向が変えられます。)
このように、色が変わっていくのは銅板葺に特有の面白さです。
他に大きな神社で銅の屋根のところというと、例えば宮崎神宮があります。
もちろん、他にもたくさんの神社で使われており、「銅板奉納」などで検索すればいくらでも見つかると思います。 銅板奉納とは屋根を葺く銅板を寄付することです。 ただし実際に銅板を渡すのではなく、一定額の寄付を渡して銅板の裏に名前を書く、という形式が一般的です。
神社だけではなく、お寺でも銅板葺の建物を使っているところがあります。 このように、和風建築、特に寺社仏閣で銅の屋根がよく使われています。
また、「copper roof」といったキーワードで検索すれば、海外でも銅は屋根材としてよく使われているのが分かるでしょう。
さらに、英語版Wikipediaには「Copper in architecture」つまり「建築における銅」というページもあります。 残念ながらこのページの日本語版はないのですが、ページ内を検索してみると「roof」すなわち屋根という単語が150回ぐらい使われています。 たとえ英語が分からなくても、屋根に使われることが多いと分かるでしょう。
海外で有名な銅屋根の建物としては、シェイクスピアのハムレットの舞台となったクロンボー城や
ドイツのベルリン大聖堂、
ウィーンのベルヴェデーレ宮殿
などがあります。
海外でも銅の屋根がよく使われていることが分かると思います。
銅が屋根に使われる理由
銅がよく屋根で使われていたのは、昔から知られている金属の中では腐食に強く、高い耐久性があるためです。
銅は緑青(ろくしょう)と呼ばれるサビを生じます。 一度緑青に覆われるとそれがコーティングのような働きをして、それ以上は腐食が進みにくくなります。
そのため、屋根材としてはかなり長持ちします。 国内で使われる銅板葺の寿命は60年程度と言われています。 さらに、上でご紹介した英語版Wikipediaのページによると、海外の物は理論上1000年ぐらい持つようです。
どうしてこれだけ日本の物と差があるかははっきりとは分かりません。 おそらくは合金か純銅か、それと気候、あと厚さなどが違うからかな、と思います。
銅板の寿命は、銅板の厚さを1年に腐食される厚さで割って大まかに計算されます。 そのため、特に厚さが寿命に大きく関わります。 石造りでかなりの重量に耐えられる海外の建物は厚めの銅板を使っているんじゃないかと思います。 ただし、確証はないです。
いずれにせよ、ただの鉄板ならおそらく10年持たずにサビて穴が空いてしまうので、さび止め加工などがない時代なら金属の屋根としてはかなりの長寿命といえます。
他の銅屋根のメリットとして、柔軟性があり加工がしやすいという点があります。 例えば、ドーム型の屋根を瓦で作るのは難しいですが、銅なら曲げられるのではるかに簡単です。 実際、海外の銅屋根はドーム型の物が多いようです。 細かな凹凸をいれるといった、飾りをつけるのも銅なら問題なくできるでしょう。
では、寿命が長く加工がしやすい優れた屋根材なのに、寺社仏閣ぐらいでしか使われないのがなぜか気になる人もいるでしょう。
その理由は高価だからです。 昔は銅は貴重な物だったので、屋根で使うほどの量を個人で手に入れるのはかなり大変です。 そのため、基本的に寺社仏閣、城郭のようなある程度コストをかけられる団体の建物ぐらいでしか使われていないわけです。 また、寺社仏閣は世代を超えて長い期間使われますが、個人だと引っ越すこともあるのでそうでもありません。 そのため、寿命が長い屋根材を個人宅に使うのにそれほど価値がないということも大きいでしょう。
現在でも、銅屋根は他の屋根材に比べると高価です。 しかし、個人で使えないほどのものではありません。 それでも、銅屋根をあまり見かけないのは、現在ではチタンやアルミ、クロムなどサビにくい金属が登場し、さらにメッキや塗装などのサビ止め技術が進み、別に銅にこだわらなくても耐久性のある金属の屋根が多くあるためです。 実際、現在では昔と違い金属の屋根自体は特に珍しくなく、素材としてはガルバリウム鋼板がよく使われています。 アルミやチタンの屋根もあります。
現実世界での他の建築での銅の使い道
銅は屋根材としてよく使われるのはこれまでご紹介したとおりです。 しかし、他の用途でも使われます。
ひょっとするとマイクラで使えるかもしれないので、ご紹介しておきましょう。
銅像
建築といえるかどうか分かりませんが、銅の利用法としては銅像がよく見かける物の一つでしょう。
日本では鎌倉の大仏、海外では自由の女神などが銅でできています。 これらも作られた当時は銅色(あかがねいろ)で、何十年もかけて今の色になりました。
ちなみにマインクラフトで自由の女神を銅で作ってサビさせた動画はすでにあります。
雨樋(あまどい)
銅は雨樋の材料としても使われています。 ただ、これは建築用というより、銅は昔から水など通す時のパイプの材料として使われているので、その延長と思った方がいいかもしれません。
ちなみに、数千年前のエジプトですでに銅のパイプは使われていたようです。 それ以来、メッキの技術が開発され鉄でもサビにくいパイプができるまでは、銅でパイプを作るのは一般的なことでした。
マイクラでは避雷針を使うと雨樋っぽいものが作れます。
雨押さえ
雨押さえという言葉は聞き慣れないかもしれません。 簡単に言うと防水用の目張りのことです。
例えば屋根の上に煙突を付けた場合、煙突と屋根の継ぎ目に隙間が空いてると雨が入ってしまうため、銅板などで煙突の付け根の周りを覆う場合があります。 これを雨押えと言います。
上の画像では煙突の付け根に瓦でもレンガでもない素材が見えますが、それが雨押さえです。
他に壁と屋根との境目などにもよく使われます。 その用途から、耐水性がありある程度自由に曲げられる必要があるため銅板などが使われるわけです。
現在の建築でもごく普通に行われる防水の技術です。 しかし、いろいろな素材がある現代では銅を使うことはあまり無いでしょう。
マイクラでも屋根の継ぎ目を銅にするなどして再現できるとは思いますが、マニアックすぎて伝わりづらいかもしれません。
マイクラの銅のさび方
マインクラフトの銅はマンハッタン距離で4ブロック以内に自分よりサビていない銅ブロックがあるとサビにくくなります。
この仕様により、現実世界のようにある程度ムラなく銅がサビるようになります。 そのかわり、サビる速度は遅くなります。
逆に4ブロック離して一つずつ設置すると早くサビるようになり、実際にそれを早くサビさせるテクニックとして紹介している動画も見かけます。
銅をサビさせる実験をしたときの画像。 最初の画像の銅ブロックが時間が経つと2枚目のようになりました。 近くに錆びていない銅ブロックがあるとサビるのが遅くなっているのが分かります。
しかし、私はこの方法で銅を早くサビさせる気はありません。
サビはただ見た目の問題なので、早くサビないからといって特に他の作業が滞るわけではありません。 ブロックを置き直さなければならないので手間もかかります。 よって、特に実用性を感じないからです。
また、銅の魅力の一つはだんだんと色が変わって建造物がいろいろな見た目に変わっていくことなので、サビさせてから建築するとそれが無くなってしまいます。 上でご紹介した明治神宮の屋根の色の違いに面白味を感じた人はきっといると思います。 サビさせてから建築するとそういった面白味がなくなるわけです。
もちろん、それが面白いと思わずブロックの置き直しの手間より早くサビさせることを重視する人は、4ブロック離して設置しサビさせてから建築すれば良いと思います。
ちなみに、現実世界で銅の屋根がきれいにサビるには数十年かかります。 マイクラだと長くて数十時間程度です。
まとめ
Ver.1.17で追加された銅の使い道としては、屋根材がおすすめです。
個人的には、銅の使い道としては屋根材を初めとした建築素材がメインで、望遠鏡や避雷針はオマケだと思います。 実際、どう考えても望遠鏡や避雷針を大量に使わないでしょう。 にもかかわらず、ネットの情報では望遠鏡や避雷針ばかり紹介している記事が目立つため、使い方がわからない人が多くなっているのでしょう。
銅が登場する前では、マインクラフトで青や緑の屋根というとプリズマリン系のブロックか歪んだ木材を使っていました。 あれらはおそらくは銅屋根の代替だと思います。 (ただし、銅以外にも青や緑の屋根材は現実にあるので、全てがそうではないとは思います。)
プリズマリン系のブロックや歪んだ木も銅に色は似てはいるのですが、銅とは少し質感が違うのが気になっていました。 そのため、銅が実装されて欲しいとずっと前から思っていました。
Ver.1.17でようやく銅が実装されたので、さっそくサバイバルモードで銅屋根の建物を作りました。
思った通り、非常にいい色で満足しています。 また、だんだんとサビていく姿も楽しめました。
銅ブロックを1つ作るのに9個の銅インゴットが必要なため、屋根で使うなら大量の銅が必要です。 正直なところ、現在のバージョン(Ver.1.17)では大きめの銅板葺の建物を作るのはかなり大変でした。
そのせいかVer.1.18ではより銅が多く手に入るようにアップデートされました。
銅鉱石を割ったときに得られる銅原石の数が増え、石切台を使うと「切り込みいりの銅」が4つ作れるようになりました。
作業台で作ると数が少ないので注意してください。
今後は銅の建築が気楽にできるようになったので、ぜひいろいろな場面で使ってみてください。
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公開日:2021-10-21