海外のFlashゲーム関連サービス その2 FlashGameLicense.com

Flashゲームのスポンサーシップのマッチングを行っているサイト、FlashGameLicense.comについて簡単に説明します。

注意:ここに書いたことは個人的に調べた事実に基づいています。中には勘違いなどもあるかも知れません。鵜呑みにせずできるだけご自身で調べてみてください。また、この内容からなんらかの不利益があってもnjfは一切関知しません。またコメントがあってもそれに返信することはありません。

はじめに

FlashGameLicense.comはFlashゲーム開発者がスポンサーを探すためのマッチングを行ってくれます。「Primary Sponsorship」が現れた頃、開発者はそれぞれのゲームサイトにメールを送り、スポンサーから提示される条件を比較して取引相手を決めていました。それをよりシステマティックに行うようにしたサイトです。具体的にはFlashゲームを登録するとそれに対してスポンサーがオークションのように入札し、その中で開発者が最適と思われる入札を受け入れる事が出来ます。そこでは日々たくさんのゲームが登録され、数百ドル~数万ドル程度の入札があります。それ以外にもいろいろな機能があるのですが、そのうちいくつかについて説明したいと思います。

主な機能

スポンサーシップのマッチング

一言でスポンサーシップと言ってもいろいろな物があります。まず大きく分けてスポンサーのサイトだけで公開する「Exclusive Sponsorship」と、ゲーム内にロゴやリンクを入れる「Primary Sponsorship」があります。現在は「Primary Sponsorship」が主流となっていて、よほどの高額でなければ「Exclusive Sponsorship」を受け入れる開発者はいないようです。このサイトでは他にもソースコードもスポンサーに渡すかどうかや、ゲーム内に他の広告を入れるかどうか、入れたとして何パーセントをスポンサーがとるかなど開発者、スポンサーの双方が事細かに契約内容を提示することが出来ます。

開発者がゲームを登録するといろいろな条件でスポンサーが入札を行ってくるので、その中から開発者はもっとも良い条件の物を選ぶことが出来ます。たとえば二万ドルで広告収入はスポンサーが取るという入札と、一万五千ドルだけれども広告収入は開発者側となっていた場合、これだけの高額で取引されるゲームなら五千ドル程度の差は数年と経たずに広告収入の方が多くなるでしょうから、一万五千ドルの入札を受け入れる、とすることも出来ます。また、どの入札もあまりに希望にあわない場合はどれも受け入れない事も可能です。なので、入札が無駄にならないようにするため、ゲームを登録すると「いくらぐらいが希望?」というようなメールがスポンサーからよく届きます。

スポンサーシップを得るゲームは未公開が原則ですが、扱っているゲームは英語中心なので、日本語ですでに公開したゲームを英語にして登録することには特に問題は無いようです。とはいえ、一応ゲームの説明のどこかに一言入れておいた方が無難です。

スポンサーシップの平均は2千ドル程度と言われていますが、実際には全くスポンサーがつかないゲームもあるのでもっと厳しいでしょう。一方で人気のあるゲームの続編などなら数万ドルといった高額の取引になる場合もあります。

入札の期間は長いものでは数ヶ月というゲームもあるようですが、通常は数週間で決まるようです。

また売れないゲームなどは入札を行わず、開発者の提示した額で即売することも出来ます。

スポンサーシップが成立した場合は、開発者は10%をCommissionとしてFlashGameLicense.comに支払うことになっていますが、交渉次第ではスポンサーが払ってくれる場合もあります。その支払いはpaypalが使われています。スポンサーから開発者への支払いにはそれ以外にescrowが使われることもあります。

再販

「Primary Sponsorship」はゲームを他サイトに提供することを禁止していないため、すでにスポンサーのついたゲームも、たとえば別サイト用のランキングに対応するようにしてから再び売ることも出来ます。FlashGameLicense.comはそれの仲介もしてくれます。ただし、こちらはスポンサーシップに比べると少額になります。

First Impressions

「First Impressions」という、一般ユーザーにゲームをプレイしてもらってその感想を得るという機能もあります。入札を行う前にゲームをブラッシュアップするのに役立ちます。一人の感想を一ドル程度で買えます。私も使ってみたことがありますが、役立つ意見もあればすべての項目に「good」と書いてくるような人もいるので高いか安いかは微妙なところです。

ゲームを登録すると、FlashGameLicense.comのスタッフがそのゲームに10段階の評価をつけます。それが大きくスポンサーの評価を左右するのでかなり重要です。時にはその評価が納得いかないような場合もあるでしょう。その時、「First Impressions」の評価とFlashGameLicense.comの評価とが大幅に違っていれば、FlashGameLicense.comに再評価してもらう事が出来ます。

スポンサー

もちろん、開発者だけではなくスポンサーとして登録し入札を行うことも出来ます。

コミュニティ

コミュニティ機能としてスポンサーや開発者が情報を交換できる掲示板やチャット、特定の相手へのメッセージ送信機能が用意されています。また、それぞれのゲームは他の開発者に向けて公開することも出来、ゲームに対してフィードバックを得ることも出来ます。もちろん、他の人のゲームを遊んで意見を言うことも出来ます。同じ開発者なので役立つ意見も多いですが、自分のゲームを宣伝するためだけに書き込むような人もいます。

まとめ

FlashGameLicense.comはスポンサーシップのマッチングという面では必要以上の機能を提供してくれていると思います。paypalのアカウントは作っておく必要がありますが、他に登録に必要な資格などもありません。優れたゲームを作れば高い報酬も得ることも可能です。一方で全く売れないという事もあり得ます。

日々たくさんのゲームが登録されるので、スポンサーはそのすべてを見られるわけではなく、グラフィックと最初の1分のゲームプレイで評価が決まるとも言われています。そのため条件の良い入札を得るにはそのようなスポンサーが好みそうなゲームを作る必要があるかも知れません。また、ここで評価が低いゲームが公開してみると人気を博するという場合もあり得ます。つまり、このサイトの入札は必ずしも公正な評価とはなりません。

とはいえ、このサイトを利用したからと言って大きな不利益を被ると言うことはありません。せいぜい公開が数週間遅れる程度です。たとえ条件の良い入札が無かったとしても、ゲーム公開前にフィードバックを得られるだけでも参考になります。自信のあるゲームが作れたときには英語版を登録してみて自分の実力を計ってみてはどうでしょうか。

ただし、場合によっては高額の取引となります。英語をしっかりと読んで意味を理解し交渉できることが必要です。

参考サイト

FlashGameLicense.com
http://www.flashgamelicense.com

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